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さいとう健農林副大臣へのインタビュー

さる10月に農林水産副大臣に就任したさいとう健さんに聞きました。

Q.農林水産副大臣といえば、これまでは農林関係議員が就任するのが常だったわけですが、さいとう健さんのような経歴の方が就任するのは初めてと言っていいくらい珍しいのではないでしょうか。ご感想は?

さいとう健) 日本の農業は高齢化が進展し、しかも人口減少の今後国内需要が急速に減少するという
重大な局面にあります。今までと同じようにやっていたのでは日本の農業はジリ貧です。
そこで、新しい発想が必要と判断されたんでしょう。製造業や商業との接点が多くあるものの、農業政策にはほとんどタッチしたことのなかった私が、2年前自民党の農政の責任者である農林部会長を命じられました。新しい風を吹き込めと。
党の方で2年間一連の農政改革に取り組んできましたが、今度は政府の中で引き続き農政改革を推進せよとのことだと受け止めています。

 Q.さいとうさんの後任の農林部会長には、あの小泉進次郎氏が就任され、話題になりましたが。

 さいとう健) この人事も同じ発想で、いわゆる農林族といわれる人たちでない政治家の発想を取り入れようということだと思います。党の方は小泉進次郎部会長、政府の方はさいとう健副大臣のコンビで、フレッシュな展開をしていきたいと考えてます。

 Q.これまで2年間農政に携わってきて、一番欠けていると感じていることは何でしょうか?。

 さいとう健) 私は常々申し上げているのですが、日本の農業を本当に助けてくれるのは誰かと。農水省ですか?違います。自民党ですか?違います。農協ですか?違います。日本の農業を助けてくれるのは、消費者なんです。これからは、農家がどんどん消費者にアタックしていかねばなりません。
新鮮で、安全で、おいしい日本の農作物に対する消費者のニーズは間違いなく高まっています。
そういう意味では日本農業の成長余地は高いものがあると思います。

Q.日本の農業は税金で守られすぎている。特に、コメ。こんなに税金を使うくらいなら、安い海外のコメをどんどん輸入した方がいいのではないかという意見がありますが、さいとうさんはどう考えますか?

   さいとう健) 世界の人口が増え続け、地球温暖化も進む中で、今後とも日本が食糧危機になることはない、とは誰も言えないと思います。
でも、放っておけば、人口が減り、食べるコメの需要が減少して、水田が荒れ放題になりかねません。加えて、コメの輸入を自由化すれば、日本の水田は壊滅的な打撃を受けます。
一度荒れた水田を再度生産可能にするには、3~4年かかるといいます。それではいざというときには間に合わない。加えて、水田には、保水や防災、国土保全などの機能もあります。
 では、食べるコメの生産を減らしながらも、一定の水田を維持していくためには、どうしたらいいのか。
 それには、食べるコメ以外のコメや、ニーズの高い麦、大豆の生産を増やしていく以外に方法はありません。とりわけ家畜のエサとなるエサ米への生産シフトを進めていくのが、現在の農政改革の主要政策の一つです。
 豚や鶏や牛の家畜のエサとなるとうもろこしの輸入量は、年間1000万トンと多くを輸入に依存しています。この一定部分を国内生産のエサ米に置き換えることができれば、食べるコメの国内需要が減っても一定の水田は維持できます。いわば、一石二鳥です。
 問題は、国民の皆さんがいくら負担しなければならないかです。
 現在、日本人は1人あたり年間56キロのコメを食べています。これは、1キロ400円前後の平均的なコメの場合、金額にするとだいたい年間2万2000~2万3000円ぐらい。だから、1ヵ月2000円弱、1日60円強、1食20円強ということになります。
 つまり、日本人1人あたりの1日のコメへの支出は、缶コーヒー1本よりもはるかに少ないのです。食べるコメからエサ米へ生産を移していくためには、エサ米を作っても食べるコメ並の収入がなければなりません。そのためには、どうしても助成が必要になります。その額を仮に計算してみます。
 食べるコメの生産量は年間700数十万トンです。仮に、このうち100万トンをエサ米にシフトさせるとしましょう。
 このために必要な税負担は、約1600億円となります。これは1人1食あたりにすると1円強に相当します。
 つまり、日本の消費者の皆さんが、1食あたり20円強払っている現在のコメの支出に、あと1円あまり余分に払っていただければ、エサ米への生産シフトが進み、水田が維持され、いざというときになっても子や孫が飢えるような事態は避けられる。
 この1円を高いと見るか、安いと見るか。人それぞれ見方がありましょうが、私は、農家のためというよりも、子や孫のためにこの1円を払いたいと思います。
 さいとう健は、これからの農政には、こういった国民的見地、消費者の目線の議論が不可欠だと思っています。


2015.12.01|考え方

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