自由民主党 衆議院議員 さいとう健 Official Site

電力供給について

 昨日は、東京電力の電力需給が逼迫し、帰宅の電車など多くの方々に深刻な影響が出ました。そこで、今後、停電はどうなるのか、かつて、さいとう健は、資源エネルギー庁でまさに電力の需給担当課長をしておりましたので、少しでもご参考になればと思い、メールさせていただきます。

 結論を先に申し上げれば、最低でも半年以上厳しい状況が続くのではないかということです。ばたばたしておりますので、乱文ご容赦いただければ幸いです。
 
 今回の大震災で、東京電力の供給力は、3200万kw程度にまで落ち込んでいます。この時期の需要は通常4100万kw程度ということなので、ざっくり1000万kwの供給不足となります。これは、相当に大きな数字です。このため、現在、輪番停電が行われております。

 では、どうしたら供給力が増えるのか。手っ取り早いのが、他の電力会社から融通を受けることです。しかしながら、東京電力の場合は、周波数が異なっているために、静岡県の富士川以西からの融通を受けることが基本的に難しい。西からの電力融通を受けるためには、富士川で周波数を変換する設備が必要になりますが、これが現状では90万kwの容量しかないのです。以前、私も当該施設を視察したことがありますが、巨大かつ複雑な施設でありまして簡単に増設できるような代物ではありませんでした。従いまして、中部電力や関西電力などで電気が余っていても東京電力には90万kw分しか送れない。

 そこで、周波数が同じ東北電力、北海道電力から融通を受けることになりますが、今回は、その東北電力からの供給が全く期待できません。北海道電力も、津軽海峡の海底ケーブルを通して供給できる電力量は60万kwにすぎません。

 従って、供給を増やす手段としては、停止中の火力発電所などを改修するなどして立ち上げるしかないのでありますが、それも、東京電力によれば、数週間で170万kw程度とのことです。ですから、5月頭ごろになっても、大幅な供給不足は続く可能性は高い。

 さらに、夏ごろまでに新たに供給できるのは1000万kw程度だということですから、夏の時点での供給力は、4300~4500万kw程度かと推測されます。ところが、電力需要は、夏がピークなのです。通常では、5000万kw台、6000万kw台の需要がありますから、電力不足は長期化することが容易に予測されます。つまり、輪番停電が相当長く続くことを覚悟しなくてはならないかもしれません。

 以上は、全くの個人的見解です。現在、東京電力が電気を供給している地域には、約4500万人の方々がおりますので、経済や生活に与える影響も大きい。今後の動きを注視していきたいと思います。

平成23年3月18日
衆議院議員  さいとう健


2011.03.18|考え方

メインメニュー

PRコンテンツ

各種情報