saitou_ken_monogatari
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治学、語学など多岐に渡っていた。斎藤は、この制度を利用し、平成2年9月にアメリカのハーバード大学ケネディ行政大学院に留学した。アメリカを選んだのは、外交や安全保障を勉強したいと考えたからである。〈せっかくのチャンスだから、日本では学べないことをやりたい。本場の国で、外交や安全保障を勉強しよう〉留学してから2ヶ月後、大学院の自治会の役員選挙がおこなわれることになった。自薦、他薦で候補者が決まり、選挙によって役員が選出される。斎藤は、あるとき、掲示板に貼られた候補者の一覧表を見に行った。〈どんな奴が出るのだろう〉そうしたところ、なんと自分の名前が出ているではないか。斎藤は、びっくりした。〈エッ……〉このときの役員選挙の倍率は、7倍ほどであった。つまり、7人のうち1人しか当選できない。辞退することもできるが、斎藤は、遊び半分で立候補することにした。斎藤は、親しくなった一人のアメリカ人に選挙参謀になってもらい、選挙戦略を練った。11さいとう健けん物語ハーバードの卒業式の一コマ

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