saitou_ken_monogatari
5/30

父親の勧めで保育園の年長のころから柔道場に通った。小学2年生のとき、体育大学を出たての担任の先生が、斎藤に任命した。「きみは、喧嘩止め係をやってくれ」クラスの友人同士の喧嘩を止めるという奇妙な係である。一番喧嘩をしそうな人間を係にしてしまえば、喧嘩も減るという深慮遠謀だったのか。いっぽう、スポーツ好きの斎藤は、野球少年であった。小学4年生のときは、エースで4番をつとめた。斎藤の夢は、膨らんだ。〈将来は、プロ野球選手になりたい〉斎藤は、毎日、日が暮れるまで白球を追いかけた。が、5年生頃になると、気持ちが中学受験に向かうようになった。野球から勉強へ、自然と気持ちがシフトしていった。3さいとう健けん物語意志の強い子どもだったピッチャーで4番バッターでした

元のページ 

page 5

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です